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2010年02月16日
ソニー VS.サムスン
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家電業界の2強であるソニーとサムスンについて、韓国人の著者が鋭く分析をした書。
ひとことで、成功、失敗と語れるほど単純な話ではないが、ここ数年のソニーとサムスンの優劣を分けた理由が客観的かつ明晰に分析されている。
両社の違いは、3章のタイトルにもなっている「デジタルドリームキッズと刺身屋」ということばに象徴される。
時代を切り開くコンセプトメーカーとして、アナログ時代からいち早くデジタルエンターテインメントの世界へ移行しようとしたソニー。そして、半導体を刺身にたとえながら、徹底した生産管理と在庫削減で効率化を追求したサムスン。
21世紀の時代という舞台で、両者の戦略の結果は、明確な優劣となって現れた。
その理由の多くは技術力の差ではなく、人事・リーダーシップの問題であり、組織の問題であると。
アナログ時代に栄華を極めたソニーのビジネスが、デジタル化に伴って陰ってきたのにはいくつかの理由がある。
時期を逸したブラウン管工場への投資を、埋没費用として生産できず、PDPやLCDへの投資が遅れたこと。
森田氏、井深氏、大賀氏から先、適切な後継者を育てることが出来なかったこと。
グローバル企業を目指して現地化をすすめながらも、その運営は大賀氏をはじめとする一部の個人に依存し、日本的な企業活動全体がついていけなかったこと。
EVAの導入によって、カンパニーによる行投資へのインセンティブが失われてしまったこと。
一方のサムスンの特徴は明確である。
進化の流れが速い半導体の進化の中で、適切に投資を行い先行企業として、先行者利益をしっかりと価値とったこと。
イコンヒ会長と少数精鋭の秘書室の下す、軍隊的とも言える絶対的な「恐怖経営」による意思決定の速さ。
組織に忠誠心を誓い、組織文化に沿った人だけを選別する、徹底した採用人事。
上記に加えて、現在、サムスンがソニーに対して優位に立っている理由の一つは、明確な目標(ソニー)をもとに走り続けることができたからと著者は説く。
その目標を失ったサムスンが、これから先、ソニーと同じように迷走することは大いにありえる。
サムスンがソニーと同じ道を歩まないためにはどうすればよいのか、そのヒントはこの本の中にあるのかもしれない。
このレポートがまとめられた2008年以降も、驚くほどのスピードでサムスンの成長は続いている。
為替の影響を抜きにしても、サムスンはすでにトップメーカーのひとつとして、時代を切り開くことに挑戦し始めている。
この本の分析通りにサムスンが先頭を走ることができるのか、ソニーの巻き返しが始まるのか、2010年も両社の動向には注目である。
投稿者 orval : 2010年02月16日 10:47
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