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2010年01月09日

「ミドルワールド」 すべての事象はつながっている

ミドルワールド 動き続ける物質と生命の起原ミドルワールド 動き続ける物質と生命の起原
三井恵津子

紀伊國屋書店 2009-12-03
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ブラウン運動という現象をご存知だろうか。
溶媒中に浮遊する微粒子が、ランダムに運動する現象である。

その現象を最初に発見し報告したロバートブラウンは、植物学の研究の中でその現象を発見した。
1827年のことである。

植物を通して、生命の原点と交配のなぞを追っていた中で発見された花粉の微粒子の運動(ブラウン運動)は、実は生命とは関係なく、特定の大きさの微粒子に発生する物理現象だった。
そのなぞは、それから1世紀近く後に、アインシュタインによって証明されることになる。

科学史にはブラウンの成果が「ブラウン運動」として記録が残っているが、当時のブラウン本人にとっては、きっと大きな混乱があったに違いない。
自分が信じ、研究を続けていた花粉から生じた粒子の挙動が、自分の想像をはるかに超えた現象であるとわかった瞬間、彼はいったい何を思ったのだろう。

この本では、その観測可能な粒子の運動をきっかけとして、微粒子の不確定性原理の話、原子の振る舞いの話、そしてそれが現代技術として生きている現代、さらには、粒子が生み出した生命の起源にいたるまで、とても壮大なストーリーが繰り広げられる。

ノンフィクションでありながら、まるで作られたストーリーのような科学史の世界を展開する一冊。
「ミドル」と定義された、観測可能な微小な世界をテーマに、科学に見せられた人々を描く物語は、真実だからこその面白さを秘めている。

投稿者 orval : 2010年01月09日 20:26

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