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2009年07月27日

インドと中国―世界経済を激変させる超大国

インドと中国―世界経済を激変させる超大国インドと中国―世界経済を激変させる超大国
Robyn Meredith

ウェッジ 2007-09
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劇的な変化を遂げている、2つの大国について書かれた2007年の書。
リーマンショックなど、この本がかかれてからも世界経済は大きく変わっているが、もともと劇的な変化で進化をつづけている中国とインドにとっては、それも多くの変化のうちのひとつなのかもしれない。

中国とインドの進化の歴史をひも解きながら、将来について考えさせられる面白い1冊。
そこには、先進国で働く私たちの価値観では計り知れない、ビジネスに対する評価基準がある。
あとがきにも書かれているが、アメリカ人の著者の視点で書かれていることも、日本人の私にとっては、余計な色眼鏡なしに第3者視点で読むことができるという点も面白い。

欧米諸国と肩を並べるほどのビジネス大国に成長した両国。
中国は、この20年で、シルクロード以来ビジネスの中心だった商品の輸出から、オフショアリングなど安いサービスを輸出するという新しいビジネスモデルで、雇用を創出し続けている。
インドでは、中国には10年ほどの遅れをとりながらも、ハイレベルな技術力を輸出することで、欧米のGEやシーメンス、IBMといった企業とともに成長を続けている。

インドのインフォシスや中国の浦東ソフトウェアパークなどのホワイトカラーエリアで働くチャンスを得た人たちは、故郷の賃金の何十倍という高い収入を得ながら、先進国と変わらない生活レベルを維持することができている。
そんな彼らでさえ、アメリカの企業から比べるとかなり割安の賃金しかもらえていないのは事実。その状況から脱しようとアメリカへ出ようとする優秀なビジネスマンが多かったらしい。
しかし、中国では、近年、アメリカに行けば10倍の賃金が貰える、そんなチャンスを手に入れながらも、中国にとどまるという新しい動きもあるようだ。
30年後に世界を動かしているのは、西側諸国ではなく、中国やインドであることは十分に考えらえる、と冷静に将来を見据えた結果なのかもしれない。

一方で順調に見える成長の裏には、まだまだわれわれの想像を絶する劣環境がのこされているのもインドと中国の姿である。
炭鉱と工場から出る煙による強烈な酸性の雨、整備されていない下水による強烈なにおい、まじかに迫っているエネルギー問題。
世界を代表するモデル国として次の一歩に踏み出すには、まだまだ解決することは多い。

そして、増え続ける人口に対する危惧。
インドでは 11億人の半分が25歳未満である。
彼らの将来のためには、多くの雇用創出が必要である。
海外からの雇用創出にたよるのか、新しく国内の整備を進めていくのか、岐路に立たされたインドでは、雇用について国民自身が真剣に悩んでおり、政治にも注目度が高い。

本書を通じて、著者が一貫して主張していることは、とにかく教育を重視しなくてはいけない、ということ。

教育に投資せずに高賃金の仕事がたくさん生まれると期待しているのであばそれは間違い

インドと中国の「それぞれ」が毎年労働人口に加える大卒者の数は、アメリカとヨーロッパすべてで毎年卒業する人数の合計より多い。
このデータは、先進国であるアメリカや日本の将来が、インドや中国の生み出すビジネスによって、大きな影響を受けるという想像をさせるには十分である。
彼らにできなくて、私たちにできないことをしっかりと取捨し、共存する仕組みを構築していかないと、私たち自身が雇用を失う日は近い。

これからさき、地球という限られた資源のなかでのゼロサムゲームで生き残っていくのは難しいのかもしれない。

投稿者 orval : 2009年07月27日 23:23

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