2009年05月15日
アダム・スミス―『道徳感情論』と『国富論』の世界
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アダムスミスといえば、「見えざる手」による価格調整メカニズムを「国富論」の中で説いた経済学者、というのがこの本を読む前の知識。
本書では、彼のもうひとつの功績である著書「道徳感情論」についても多くページを割いており、「国富論」との関連性を説明することで、彼が生涯をかけて築いた、人間の本性に深く根付いた経済活動についての壮大な研究成果を垣間見ることができる。
市場の機能を支える、市場参加者の行動を左右するのは、彼らの自愛心であり、利己心であり、そしてフェアプレイの精神である。
その結果として資本が生成され、蓄積され、そして分配・消費されることで経済が回る。
市場参加者である私たち一人ひとりの行動規範の裏には、自分の行動を称賛されたい、非難されたくないという、道徳原理があるはずで、「道徳感情論」では、そういった人間の本性の定義に試みており、これが結構面白い。
アダムスミスの視野の広さと考察の深さを感じるとともに、特定の分野にしばられず、分野を超えた検証の中に、新しい真実が見つかるという、よい例だと感じさせられた一冊。
経済学には明るくないけれども、わかりやすい説明で理解は可能。
評判がよいのもうなづける本でした。
投稿者 orval : 2009年05月15日 23:23
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