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2008年09月10日

知的好奇心をくすぐる 「理性の限界」

理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書 (1948))理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書 (1948))
高橋 昌一郎

講談社 2008-06-17
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ただいまから「理性の限界」に関するシンポジウムを開催したいと思います。

という司会者の言葉から物語は始まる。

「アロウの不可能性定理」「ハイゼンベルグの不確定性原理」「ゲーデルの不完全性定理」といった難解なテーマをわかりやすく展開するために、司会者を中心とした対話形式で進んでいくというギミックが面白い。

1章では投票のパラドクスや囚人のジレンマなどを例に、完全なる「選択」というものは存在しえないことを議論し、2章ではニュートン物理学から特殊相対性原理が導かれた背景を示しながら「科学」がもたらすものは必ずしも完全なものではないことを論じている。
そして3章では、ぬきうちテストのパラドクスをひきあいにゲーデルの不完全性定理の説明を通じて、知っていることとは何を指すのか、「知識」についての限界に迫る。

なんとなく知っているかも、というレベルのさまざまな定理や論理を、わかりやすい事例を使いながら多角的な視点で書き下された説明に、なんだか知的好奇心がくすぐられてしまう。

「科学」とはなになのか、「選ぶ」ということはなになのか・・・「理性」とは測れるものなのか。科学的見地だけでなく哲学的な視点も混ぜながら、学問を楽しむ、そんな一冊。

投稿者 orval : 2008年09月10日 23:06

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