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2008年08月11日

スティーブ・ジョブズ神の交渉力

スティーブ・ジョブズ神の交渉力―この「やり口」には逆らえない! (リュウ・ブックスアステ新書 48)スティーブ・ジョブズ神の交渉力―この「やり口」には逆らえない! (リュウ・ブックスアステ新書 48)
竹内 一正

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スティーブ・ジョブス。家電業界に生きる私も、最近は彼の名前を耳にすることが多い。それは、別世界で生きるとある会社の一モデルという位置づけではなく、ライバルとして、ときには研究すべき相手として。

そんな彼のもつ、絶大な求心力、独創性、君臨性、成功までのストーリーをつづった物語。数多くある、いわゆる「ジョブス本」のひとつである。

アップルでジョブスとともに働いていた著者による、アップルの内側、外側の両者から描いたジョブスの生きざまがそこにはある。
ガレージから立ち上げたアップルの創業、そのアップルを追い出されてネクストを創業、ピクサーの買収、ディズニーの取締役、iPhoneの発売・・・。
知っている話・エピソードも多く書かれているし、知らない話もある。全体として何かのメッセージを伝えるというよりも、客観的にジョブスの「すごさ」「超人っぷり」を述べことに終始されているが、それはそれで読み物として面白い。

iPod,iPhoneに示される成功の裏には、自分の興味のあることを徹底的に追及する技術者としての姿勢があり、相手がどんな大物であろうと気に入らないものを徹底的に排除する非情なまでの冷酷さと交渉力があり、時代の流れの最先端に立ち続ける洞察力の深さとスピードのある判断力があり、そして、プレゼンの場では、自分の言葉でオーディエンスを圧倒する天才的パフォーマーとしての素質がある。

まさに天才である。

タイトルにある「交渉力」について、天才のもつ交渉力というのは、必ずしも凡人にとって有益なものであるとは限らないことを思い知らされる1冊。そこから学ぶものは少ないかもしれないが、まだジョブス本を読んでいない人にとっては、彼を知るよい本と言えるかもしれない。

実際にジョブスを知る人の話を聞くと、昼夜、クリスマスを問わず、家族とのバケーション中であろうとお構いなしに、電話で必要な人を呼びつける、その図々しさと強引さは、本書にあるとおりのようです。
彼とともに仕事をすることは、時には苦痛なこともあるかもしれないが、それを超える求心力と魅力がそこにはあるのかもしれません。

ビルゲイツも最前線を退いた今、53歳のジョブスはこの後どうなるのであろうか。そこに待つのは「本能寺の変」なのか、それとも刃を失い、丸く穏やかになっていくのか。彼の1世代下の一エンジニアとしては、今後の彼の動向からも目が離せない。

投稿者 orval : 2008年08月11日 23:06

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