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2008年08月18日

日本人はどこまで減るか

日本人はどこまで減るか―人口減少社会のパラダイム・シフト (幻冬舎新書 ふ 2-1)日本人はどこまで減るか―人口減少社会のパラダイム・シフト (幻冬舎新書 ふ 2-1)
古田 隆彦

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2004年を折り返し地点として、日本の人口は減少に転じた。
さて、この先、日本の人口はどうなっていくのだろうか。 このままどんどん減少していくと、現在の経済規模を維持するためには、海外からの移民に頼ることになるのか・・・・。
そういった問いに対して、多角的な見解を占めす本書。かなり幅広い見地から、人口変動の歴史、経済活動への影響、そして22世紀の日本について触れている。

「少子高齢化で人口が減る」という短期的な考えは間違っているという主張に始まり、人類の人口の変動には、2つの人口抑制効果によるもっとマクロな効果が働いているという展開に至る。

人口が適正な数に抑制される要因には、文化的な抑制と、生理的な抑制の2つがあり、それらは両者とも遺伝子に組み込まれた本能的活動であるらしい。
人口が増えすぎると、経済活動が飽和し、都市環境の悪化や生活圧迫がおこり、伝染病が増加する。ときには、宗教的な出産抑制や一人っ子政策のような政治的抑制が行われたという歴史的事実もある。そのような環境下で、本能的に生命力が低下していくことも研究結果として表れているらしい。
これらはすべて、最適な人口数を維持するための本能的な活動ということである。

本書によると、これらの本能的な人口抑制の結果として、これまでの人類の人口は長期的な周期変動を繰り返してきた。そして、21世紀初頭に迎えた12500万人の日本人口の頭打ちも、ひとつの周期のヤマであらしい。

この先、どんどん減少が進む日本の人口を、増加に転じさせるには、文化的・経済的に日本という国が受け入れることのできる人口の容量を増やす必要がある。そのためには、新しい産業分野を創出し、これまでの文化と経済活動を凝縮していくというパラダイムシフトが必要であると著者は説く。
これらの準備が整ってはじめて、日本の人口は再び増加に転じると。

「人口論」という、とっても身近でありながら、あまり知らなかった新しい学問に触れられたことにとても満足できた一冊。ひとつの問題を捉えるには短期的な視点ではなく、マクロなものの見方をすることで新しい視野が広がる、ということを改めて認識できた一冊でもある。

経済活動を見通すためのパラメータとして、人口は欠かせない。
22世紀の日本が、今以上に活発な経済活動を続けていけるように、今日から出来ることがきっとあるはず。本書には、そのヒントが隠されているのかもしれない。

投稿者 orval : 2008年08月18日 23:16

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