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2007年09月29日

誰のためのデザイン

誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)
野島 久雄

新曜社 1990-02
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評判どおりの名著。
エンジニア系・デザイン系の多くの書評サイトでもお勧めされている一冊。

どうやって保留にしてよいかわからない電話、どうやって開ければよいのかわからないドア、どこを回せばどのコンロの火がつくのかわからないガステーブル、どんな操作をすれば次の画面が表示されるのかわからないパソコンの表示画面、などなど具体的な失敗デザインを例に挙げながら、認知科学をベースにデザインのあるべき姿を紹介する。

機能が増えていく中で、扱いが複雑になり、使用者がエラーをするようになってしまった多くの道具。それらの多くはデザインの失敗によるものである。
エラーに対して、「マニュアルに書いてある通りにやればうまくいくよ」なんてのは、デザイナの独りよがりに過ぎないことを理解しなければならない。むしろ、デザイナは、いかなる状況であっても、できるだけエラーが起きないように配慮すべきであり、エラーに備えたデザインにすべきであると本書は説く。
そして、使用者はもしエラーを犯したら、自分を責めるのではなく、デザイナに使いにくいと訴えるべきだと。

人が行動を認知するまでの思考過程、エラーの種類、すばらしく考慮されたデザインなどが系統立てて紹介されていて、読みごたえは十分。
特に、行動を決定するための「知識は頭の中だけでなく、他社やものといった外界にも存在する」という一説はとても印象的。

後半は、やや時代錯誤な事例も多くなってしまっている感もあるが、時代を超えても変わらないメッセージは、とくに前半部分を中心に、しっかりと書き込まれている。

本書の最後に書かれている、著者ノーマンからのメッセージを引用しておこう。


もしあなたがデザイナーならば、使いやすさを目指す戦いに加わってほしい。もしあなたがユーザーならば、使いやすい製品を求める声に加わって、声を上げてほしい。(snip)よいデザインをもたらしてくれた人には、心の中で賞を贈ろう。よいデザインをしてくれなかった人には、きびしい批判をしよう。

デザインはユーザ中心に設計されなければならない。しかし残念なことに、デザイナは典型的なユーザではないことを認識しなくてはいけない。

投稿者 orval : 2007年09月29日 22:00

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