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ソフトウェアの仕事をする上で、限られた時間制約の中でユーザを満足させるものを確実にリリースするには、ステークホルダーの要求をしっかりと聞き入れ、具体的なソフトウェアイメージに変換し、その要求を満たすための設計がスケジュールに与えるインパクトを検討し、間に合うかどうか、その要求を受け入れてよいかどうかを判断しなければならない。
これを本書では医学用語を用いて「要求のトリアージ」と呼んでいる。
私も仕事のなかで、トリアージをする機会は多い。
すべての要求を受け入れた場合は、製品は期日どおりにリリースすることはできない。
すべての要求を否定した場合は、その製品はユーザの求めるものではない。
その中間点ともいえる「ちょうど十分な要求」を導くための多くのメッセージが本書にはこめられている。
2決して自分のほうが顧客よりも問題をよく理解しているとは思わないこと
3一人のステークホルダがすべてのステークホルダの意見を代表していると思わないこと
4用語集を保守すること
5要求の導き出しをしないことは、開発期間の短縮ではなく、むしろ大幅に長引かせる結果になる
6ステークホルダの意見を遮断するのではなく、変化に備えること
7ステークホルダには考えを変える権利があるという事実を受け入れること
8活発で明示的なトリアージに備えること
とくに勘違いしてしまいそうなのは 6と7 について。
文中にもしつこく書かれているのだけど、「要求への変更は善であり、悪ではない」「要求変更の流れを阻止しようとしてはいけない」というのは大切な視点だと思う。
否定を繰り返した結果、必要な要求が出てこなくなるような状態になってしまっては、もうその製品には誰も興味を持っていないのと同じで、価値がないともいえるかもしれない。
要求を受け入れることは、ソフトウェアの設計においては、負担になることが多いわけだけど、これをしなくなってしまっては、魅力のあるソフトウェアのリリースはできなくなる。
トリアージを定量的に行うことは難しいけれども、少なくともチーム内では、その判断レベルをそろえて、ステークホルダとの調整をうまくやっていきたいものである。
「ちょうど十分な要求」の先にこそ、顧客満足はあるはずなのだから。



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